横山大観「諦めない革新」(文:辻中公)
- 京都生涯学習カレッジ
- 6月4日
- 読了時間: 2分
(2025年5月10日配信ハッピーメール)

先日、ふと横山大観の絵に
見入る機会がありました。
一見すると、日本画らしい静けさ。
けれど、その奥に潜むものは、
決して穏やかなだけではありません。
柔らかく流れる墨の線。
かすれるようでいて力強く残る余白。
その一筆一筆から、
「挑戦」
という言葉が静かに響いてくるのです。
大観は、
日本画の伝統を守りながらも、
新しい表現を模索し続けました。
時代が変わる中で、批判も受け、
ときには孤独の中で筆を執り続けたといいます。
それでも彼は諦めず、
既存の枠を越えようとし続けました。
私はその姿勢に、
自分の人生が重なりました。
年齢を重ねると、
どうしても「もういいか」と
立ち止まりたくなることがあります。
でも、目の前の絵は語りかけてきます。
「まだ終わりではない。
どんな時も新しく、前に進める」と。
伝統を守りながら、革新を恐れない。
柔らかさの中に、
決して折れない芯を持つこと。
それが、
これからの私たちの生き方に必要なのだと、
改めて感じています。
たとえ一歩が小さくても、
自分の人生を最後まで創り続ける。
その姿勢こそが、
私たち一人ひとりの
「大観の絵」
になるのではないでしょうか。
辻中公
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