田植え (文:平井麻起)
- 京都生涯学習カレッジ
- 6月15日
- 読了時間: 2分
(2025年6月10日配信ハッピーメール)

うちの田んぼ仕事は、全て人力である。
夫がひとり淡々とやっている。
カラダの遣い方を、日夜研究している夫にとって、
自分のカラダを通して行為することは、面白いことなのだろうが、
農業者からみれば、夫の仕事は、尋常ならざることなのだそうだ。
6月4日に、今年のうちの田植えをした。
ちょうどその前のタイミングで、
板野肯三先生の稲の分けつの話をきいた。
一粒のモミから500本以上の茎が出た話で、
そこには、植物が応じてくれる、という物語があった。
その話が面白かったので、夫にも伝えた。
わたしがサラッと話した内容から、夫は閃くものがあったそうで、
今年の田植えで、その閃きを、早速、実践したのだそうだ。
それまでは、今の田んぼの面積では、家族が食べていくのに足りないから、
もう少し、田んぼの面積を増やさなければ、と思っていたところが、
板野先生の事例をきいて、考え方がシフトチェンジしたのだそうだ。
今の面積で、収量を増やすことが出来る可能性を、夫は確信したのだった。
非効率的なやり方が、実は、非常に効率的な道に通ずるかもしれない、
という話であり、わたしたち家族は今年、その可能性に挑戦する。
瀬戸内海の島より
平井麻起
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