田舎ライフ その4 (文:藤本由美子)
- 京都生涯学習カレッジ
- 6月17日
- 読了時間: 2分
(2025年4月30日配信ハッピーメール)

田舎の春は、嬉しい。ことの外、嬉しい。つい先月まで霜柱が立ち、凍えていた地面から、ぽつぽつと黄緑色が顔を出し、固かった地面を柔らかく覆い始める。木は芽吹き、暖かな色の蕾をつけて華やかに、それぞれの花を散りばめる。早朝、6時前。そっと玄関の引き戸をカラカラと開けて外に出る。15分だけだけど、1人、新しい1日の陽の光と空気を享受しながら歩く。可愛らしい木香(もっこう)バラが、フェンス一面を黄色く飾り尽くす。木の枝々が作ったトンネルのような小道は、紫の藤の花が彩っている。更に、赤やピンクや白のつつじがどんどん花開き始めた。はなみずきの白い花も雲のように映える。畑にはタネのできてきた菜の花の黄色。そうそう、今年は菜の花、いっぱい食べたなあ。美味しかったなあ。もっぱらお浸し、辛子和え。今はね、葱坊主。まだ薄皮に包まれた葱坊主をハサミでちょきんちょきんと切っていく。天ぷらにしていただくと絶品!桜と共に薄桃色の花をたくさんつけた杏の木、今は黄緑色の葉っぱが生い茂り、ほんの小さな、粒のような実をぽつぽつつけている。土手のアザミの蕾に、明日咲くかなってワクワクしながらも、野いちごの白い花に、いずれつける赤い粒々のキラキラの実を思い、今からワクワク。こどもの日に作る『柏餅』に使う『サルトリイバラ』の、まだ黄緑色の若い葉っぱを見つけて、もう口の中は柏餅の食感と味でいっぱい。あ、今はね、筍の季節。昨日も5本、茹でたところ。鮮やかな色彩に満ちた季節にうっとりしながらも、『花より団子』で終わっちゃったな。それでも、それだって、やっぱり嬉しい、ワクワクの春。田舎ライフ、ようやく3度目の春。 藤本由美子 |
Comments