top of page

『田舎ライフ (その5)』(文:  藤本 森(しん) )

(2025年7月19日配信ハッピーメール)


ree

家のすぐ裏は畑。そこに物干しがある。 そこに毎朝、洗濯物を干す。 その日も洗濯物を干していた。 フと、一段高い隣の畑の土手を、テケテケと何かがのんびり歩いていく姿が目に留まった。 えっ???‥何っ‥?白っぽい茶色で、顔の真ん中、鼻の先っちょまで、白い筋がある。鼻先まではツンと突き出ている。 えっ?何?‥もしかして、コレは‥‥『アナグマ』‥?か‥な‥???生まれて初めて見る動物に、目は釘付け!!そして、それが目の前を通り過ぎていく間も無く、裏山でガサガサと音がする。 えっ?今度は何っ?ちょっとばかり慄(おのの)きながら音のする方を見る。 すると今度は茶色の、やはり顔の真ん中に白い筋があり、鼻先までツンと突き出ている同じような四つ足の動物が、テケテケと後を追うように通り過ぎていった。 スマホで『アナグマ』の画像を検索する。 ‥!!やっぱり!!『アナグマ』だ〜っ!!えっ?ちょっと待って。 『ハクビシン』かも?‥似てる‥。あ〜、細かく良く覚えてないや‥。 なになに?穴熊は、見かけによらず『獰猛』な性格?作物を食い散らかす?怪我をさせる?ひえ〜っ、珍しがってる場合じゃ無いっ!‥畑の、今、まさにもうすぐ採れそうな夏野菜やスイカたちの無事を、まずは、祈る。 最近は、『熊』だって、すぐ近くに出没していたりする。 『命』か、『野菜』か‥。 う〜ん‥、迫り来る危険!ちっちゃく出没する害虫たちが、余程可愛くてマシに思えてしまう田舎ライフ、3年経過‥。 と、この原稿を書いた翌日夕方、主人がガックリと肩を落として言った。 「スイカをやられた‥。」 「えっ?」 「いい感じに育ってたのに、齧られたり、もぎ取られたり、で、4つもダメにされた‥。」 実は私たちは、ずっと昔からいろんな生き物たちと共に暮らしていたんだと、知らなかっただけの世界が、いくらでも身近にあったことを改めて身をもって知った今日。 一見、のどかで緑豊かな『田舎』だって、実は色々ある。     藤本 森(しん)



コメント


Recent Posts
Archive
bottom of page