アンブレラ事件 (文:天生)
- 京都生涯学習カレッジ

- 7月8日
- 読了時間: 2分
(2025年6月30日配信ハッピーメール)

むかしむかし、天生がうら若き乙女だった頃のお話。
わたしは画商の彼氏と付き合っていました。逢いたいのに「仕事が忙しい」となかなか会ってもらえなかったある日。
朝から雨が降っていて、やっと新京極のアーケード街にたどり着き歩いていると、人混みの中、向こうから彼が歩いてくるではありませんか!しかも隣にはハイヒールを履いたロングヘアの綺麗なお姉さん。楽しそうに会話しています。 仕事で忙しいと言いながら、きれいなお姉さんとデートしてるじゃん!私のお腹の底からゴーと音を立てて嫉妬の感情が湧き上がります。
どんどん近寄ってくる彼…私に気づきもしない彼。!!すれ違い様、私は持っていた傘で彼を突いて逃げました。(出ました!私は剣を持つ月命7番です)
激情が冷めた後、「なんてことをしてしまったんだろう」と深く反省。自分にこんな感情があるなんて…とびっくりしてしまいました。
そして分析。 1、自分はサボっておしゃれをせず、みすぼらしい格好をしていた。 2、一緒に歩いていたきれいなお姉さんと自分を比較して負けたと思った。 3、生活が充実していなかった。 4、結果、自信のない自分がみじめで、そんな自分に気づきもしない彼を攻撃した。
後日、「この間はごめん!」と彼に謝った時、彼は「…?あっ、そうや!お前、なんで傘でつくんや!」と叱られた。ちょっと忘れてたな。一緒に歩いていた女性は画廊のお姉さんで、仕事の話をしていたのだとか。
このアンブレラ事件以降、私の中にある強烈な嫉妬と言う感情を発動させないため、付き合った相手を自分の「モノ」と思わない事、自分と人を比べない事、そのためにはいつも充実した時間を過ごす事を肝に銘じて生きていこうと決心しました。
一生懸命、何かに取り組んでいる時、人は輝いているのだから。
天生 |




















コメント